多様な価値観と受容

昨日の学びから。

 

コンセンサス実習を通してフィードバックに焦点を当てたレッスンでした。コンセンサスというのは「多数決によらない合意形成」のことです。

フィードバックについての学びもさることながら、昨日の私の中に大きく残ったものは「多様な価値観」に触れた時の自分の中の変化でした。

 

実習(ワーク)は、個々がそれぞれの価値観で順位付けしたものを、グループにおいてコンセンサスによりグループ内順位を決定するというものです。

価値観というのはその人のこだわりや考えを反映するもので、それぞれ人によって異なりますし、簡単には変え難いもの。その価値観ををすり合わせて複数人で合意形成をとろうとするのですから、いかに困難なことであるか想像がつくでしょう。

 

ワークの結果として、制限時間内には課題の半分しか順位決定ができませんでした。

しかし、半分だけ決定したものについては、メンバーの誰もがゆるぎなく納得したものとして結果を出すことができたのです。このことはメンバーに大変大きな充実感と満足感を与えてくれます。私たちも半分しかできなかったことよりも、半分も全員一致で決定できたことに喜びを覚え、その喜びを共有することができました。

 

このときに得た満足感、充実感、楽しさ・・・こうした気持ちを一言で表すとしたら何がいいのでしょうね。私は"happy"という言葉が好きなのですが。

happyな気持ちを抱くことができたのは「自分の中に残していない」ことだったのではないかと感じています。自分の言いたいこと、伝えたいことをその場に出す。そして気になること、引っかかり疑問、それらをクリアにすべく「何?」「なぜ?」「わからない」を場に出すこと。これができたことで自分の中に残るモノがなくスッキリしていたことが要因の一つではないかと思うのです。

 

では、なぜ自分は”残すことなくスッキリ”を成せたのだろう? さらに自分に問うてみました。

こたえはいたってシンプル。「メンバーのおかげ」これに尽きるのです。 

一緒に活動したメンバーのみなさんのおかげで、その場が私には大変安全であり、自分の中の想いをそこに出せたからなんだと思います。私の発言に耳を傾けてくださり、私の問いかけに応えてくださり、私の様子を観ていてくださり・・・みなさんが私に関心を持ってくださっていたということなんだと思います。参加者が大切にされること、これは一人一人相手に関心を持つ、ということがまず重要ではないかと思います。

 

これは私自身に起こったことについて、私自身が感じたことだけで、他のメンバーの方が同じように感じていたかというと、もちろんそれは人それぞれ。こうしたことあたりまでワーク後のわかちあいで話せるとよかったなぁと思います。時間に限りがあるので、そこまではできませんでしたが。

少なくとも、メンバー間において半分までの結果を出せたこと、その結果に至る過程においても共に満足し、結果として出せた喜びのシェアをすることができました。

 

ここまではコンセンサスにおけるメンバーの満足感に関して、ちょっと長くなりましたが書いてみました。

 

話を戻します。

多様な価値観に触れた時の自分の変化について、です。

 

今回のコンセンサス実習のプロセスにおいて、他者の価値観(他メンバーの価値観、こだわり、根拠など・・・)を受け取ることができたな、というような手応え感を得たと同時に自分のこだわりなどがポロリと外れる感触がありました。このあたりの心情描写を文字化するのはなかなか難しいので省略しますが、「そっか、ならこの順位もアリだな」そんな感覚で自分のつけた順位は変動し、後半には初めに自分がつけた順位すら忘れているくらいでした。それは、そのグループの中で”新たな共通の価値観を生みだしている感覚”でした。この感覚が「創造する」ことなのではないか、そんな風に感じたのでした。こんなことを感じたり考えたりしているとなんだかとても嬉しい、楽しい、・・・なんて言うか・・・そう、happyな私がそこにいました。

 

「受容」は私にとってのキーワードであり、課題であり、目標です。なかなか難しいことでそうそう簡単にはいきません。それでも今回少し手応えを感じることができたり、手応えを得られたことがまた先につながり、そしてhappyへとつながることを体験しました。

この体験による感覚は、故スティーブ・ジョブズ氏の名スピーチの一つ目にある「点と点を繋ぐ」に通じることなのかもしれません。

 

今回は大変長文になりました。

お付き合いくださりありがとうございます。

 

こうした多くの気づきを持ち帰り、パートナーと二人揃って、学び続けることの大切さをしみじみ感じ、また共有できる喜びもさらに共有しました。次に向かってさらに前進します。

 

by ayu